salon MEDERU 4月企画展

JOURNAL for chain

エレガンスを繋ぐもの

流行や誰かの評価を鵜呑みにせず、その人だけの品格を生み出し、その人らしさを語らしめること。これが私たちが装身具を通じて果たしたい約束です。もちろん身につけたからと言って一朝一夕には生まれないものですが、だからこそ、ともに歳を重ねていける−−つまりタイムレスな美しさが必要だと思っています。

私がずっと身につけている古いチェーンのブレスレットがあります。mederuファンの方なら一度は見かけたことがあるかと思いますが、それは数年前、あるアンティークディーラーから譲り受けた1900年代初頭のものです。現代のチェーンに比べてボリュームがあり、一コマごとに彫り模様が入った端正な仕立て。ハート型のパドロックがついており、存在感としてややクラシックが過ぎるかもと最初は思ったのですが、腕に通すと不思議と軽やかなエレガンスを感じさせてくれました。時代や国をこえて立ち上がる品格。そのタイムレスな魅力に惹かれ、私たちはチェーン探究を続けてきました。

こうしたクラシックなチェーンは多くが貴族男性の装身具として愛用されていました。ポケットにしまった懐中時計とスーツを繋ぎ、ちらりとチェーンを覗かせるというのが、当時のシックなスタイル。そのために紳士たちはこぞって美しいチェーンを仕立てさせました。つまり古いチェーンは道具であると同時に、美意識を感じさせるものである必要があったのです。

紳士の嗜みとしてのエレガンス。古いチェーンに宿されたその美意識ごと、現代の女性の装身具に落とし込みたいと思いました。残念ながら、古いチェーンはその多くが既に時代の波にのまれ、現存しません。そして現代の機械生産のチェーンにその美意識をはらむ余地はなく、私たちは形を削り出すことで、古いチェーンのエッセンスを表現しようと考えました。そこから生まれたのが〈Chain〉のシリーズです。古くは男性のものであったチェーンを、現代の女性の手元に添えたとき、それは逆説的にその方本来のエレガンスを引き出すものになってくれると感じています。

今回は新しい〈Chain〉としてリングとピアスを2型ずつ、ご紹介を始めます。また、これら〈Chain〉シリーズの着想の源となった資料の古いチェーンブレスレットたちもご覧頂こうと思います。中には一部お譲りできるものもあります。(詳しくはsalonにてご覧ください)その古くて新しい、タイムレスな魅力に触れて頂けたらと思います。

salon MEDERU 4月企画展

Vintage Chain 展

開催期間 2022.4.8 ~ 4.24

古いチェーンに浮かぶエレガンス。それは当時の紳士の嗜みという美意識があって生まれる品格です。mederuではその古いチェーンならではの品格を現代の女性の美しさとして再解釈するべく、指輪を中心とした〈Chain〉シリーズのアップデートを続けています。4月の企画展では、この〈Chain〉シリーズの新作のご案内とともに、アトリエが研究資料として集めたヴィンテージチェーンの展示販売をご案内いたします。アトリエのルーツ探究をぜひご体感ください。

  • 新作〈Chain〉シリーズ
    • 新しい〈Chain〉シリーズをご試着&オーダー受付を始めます。
    • 〈Chain〉シリーズは定番となりますので、5月以降もオーダー頂けます。
  • ヴィンテージチェーンブレスレット
    • アトリエが研究資料として蒐集してきたヴィンテージチェーンを展示販売いたします。資料という特性上、チェーンは古い表情のまま展示しておりますので、ご購入希望の場合は、サイズ調整などメンテナンスを施してからのお渡しとなります。
    • 古物(1880年頃〜)となりますので、mederuにてオーダーされた経験のあるお客さま、もしくは古いものに慣れているお客さまのみのご案内とさせて頂きます。
    • 価格はSilver 5万円~ ,Gold 15万円〜 となっております。
    • ヴィンテージチェーンにつきましては通販は行いません。企画展後に残ったものはCARAVANにお持ちする予定ですので、遠方のお客さまは楽しみにお待ちください。